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【クアラルンプール】野鳥たちに迫る絶滅の危機について考える│SDGs


皆さんは日本の国鳥をご存じでしょうか。鳩、トキ、鶴などを思い浮かべたかもしれませんが、日本の国鳥は「キジ」 です。そしてマレーシアの国鳥は「サイチョウ(ホールビン)」 となります。

ホールビン(サイチョウ)

ユニークな見た目のサイチョウは主に熱帯の地域(東南アジア)に生息しています。木の上で生活し、地上にはほとんど降りてこず、果実、昆虫、脊椎動物などを食べます。


種類によって違いはありますが、大きなくちばしとくちばしの上部に角のような膨らみ「犀角(さいかく)」があるのが特徴で、獲物を捕らえたり、木から種を取ったりするために使われるだけでなく、仲間を認識したり、また大きな音を立てて敵を威嚇するためにあると言われています。


この犀角(さいかく)はとても硬く、彫刻などの工芸品にすることができるなどして中国で大きな需要があります。こういった需要の急騰に伴い、近年急速に数を減らしました。そしてサイチョウの一種であるオナガサイチョウは、準絶滅危惧種から2015年に絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に引き上げられました。

 また日本では、約600種類いると言われる野鳥たちのうち現在絶滅危惧種とされている野鳥と、将来的に絶滅危惧種になりうる、また減少してしまう心配があるといわれている野鳥を合わせると、野鳥全体の4分の1にも上ります。

(例)キジ、アホウドリやヤンバルクイナなど

 

野鳥たちに迫る絶滅の危機の要因は幾つかあります。まず原野を切り開いて道路や工場、団地を建設し、それにより彼らの住居が消えていったことによる「人間による土地開発」があります。戦後の高度成長期に “役にたたない土地” として次々埋め立てられた場所も彼らの貴重な住居だったのです。

 

1980年に日本で初めて「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)」に登録され、1987年に国立公園となった釧路湿原には「タンチョウ」をはじめとした約2000種もの動植物が生息しており、保水・浄化機能や洪水調整機能や観光資源(潮干狩りやバードウオッチング)などの役割も担っています。しかし以前は「不毛な土地」として見られることもあったと言われています。

 

次に「人間によって持ち込まれた外来生物や化学物質」などが、その地域に本来いた生き物や生態系にとって脅威となり、またサイチョウの例にもあるように「人間による密猟」、そして最後に「深刻化する地球環境問題」も長期的には影響を及ぼす可能性が高く、絶滅の危機の要因と言えるでしょう。

 

これらは人間がもたらした、野鳥そして生物多様性の破壊の要因ですが、それを食い止めるために私たちがするべき最初のことは「生物多様性」という言葉の意味を知ることです。

 

地球には人間を含む多くの生き物が住んでおり、これらは大気・水・土などで構成される環境の中で相互に関わりあって生きています。こうした生き物たちの豊かな個性と繋がりのことを「生物多様性」言います。この繋がり崩れた時、生き物たちは絶滅の危機に晒されるのです。

 

今私たちにできる事は、ひとりひとりの自然に対する理解ではないかと考えます。地球から見ると人間も野鳥も地球上に生きる生き物のひとつです。しかし、人間と他の生き物とは違いは「自分たちで自然を破壊する」ことができる点です。これは裏を返せば「人間には自然を守る力がある」ということでもあります。生物多様性という言葉の理解から、自然や他の生き物との命の繋がりをもう一度繫ぎ止めることができるのではないでしょうか。


クアラルンプールの中心地に位置する「バードパーク」は “自然のまま” をコンセプトに鳥たちの本来の住処である環境を再現してあります。

 

園内には約200種類、300羽近くの珍しい野鳥が、4つのエリアに分かれて生息しており、ゾーン1、2は鳥たちが自由に羽ばたけるフリーフライトゾーンとなり、ゾーン3はマレーシアの国鳥「サイチョウ」がいるエリア、そしてゾーン4は20種類ものカラフルな鳥たちと触れ合えるエリアとなり写真が撮れるフォトスペースがあります。

鳥たちが自由に羽ばたけるゾーン1, 2
サイチョウのいるゾーン3
鳥と触れ合えるゾーン4

名前、または内容 KL Bird Park (クアラルンプール・バードパーク)
中心地からの移動時間 15分
営業時間 09:00~18:00(月曜休園)
見学時間(目安) 約1~2時間
催行人数 1名~
料金 有料(お問い合わせください)
その他 —-

生物多様性保全のためにできること

生き物の恵みを得ながら、動植物と共存しあい暮らしていく為には、一人一人のライフスタイルを少しかえてみるという、小さな一歩からはじまります。
「地球温暖化」「環境破壊」の影響で1年間に4万種もの生き物が絶滅しています。原因のひとつには私たちの「廃棄物」が関係しています。

My アクションプラン(一例)

Step 1:インプット│現状を知り、課題を発見する

日本のごみ総排出量は4,272万トン(東京ドーム約115杯分)、1人1日当たりのごみ排出量が918グラム※2018年度数値、環境庁2020年発表

Step 2: プロセス│自分の身の回りに置き換えて考える

毎日のごみを減らす為に、手軽に出来ることは何だろう?

Step 3: アウトプット│自分に何が出来るだろう(My アクションプラン)

・食品ロスを意識してレシピを考えたり、食べ残しがない量を作る
・地域の清掃活動に参加してみる

3つのステップで、あなたができる「My アクションプラン」を下記のフォームへ入力してアウトプットしてみましょう。

お送りいただいた内容に関しては、弊社サイトにて公開させていただくことがありますので、あらかじめご了承ください。

すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

SDGs(エスディージーズ)とは、国連が2030年までに達成を目指す国際目標「持続可能な開発目標」Sustainable Development Goalsの略です。 SMIでは「持続可能な開発目標(SDGs)」の記事を掲載しています。

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