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【ホーチミン】枯葉剤の影響で壊滅的になったマングローブ林の再生、そして新たな取り組み│SDGs視察


ベトナムを語る上で避けて通れないのがベトナム戦争(1965~1975年)です。ベトナムにあるマングローブはこの戦争で使われた枯葉剤により、マングローブ林が壊滅的な状態となりました。

戦後すぐに植林活動は始まり、1997年からは日本赤十字社がベトナム赤十字社とともにベトナム災害対策事業の活動の一部としてマングローブの植林を行ってきたりと、国を始めとした様々な機関が植林に力を注いできました。

しかし植林に力を注ぐ一方で、国際連合食糧同業機関(FAO)2008年のレポートによると1980年からの25年間でマングローブ林の面積を大きく減らしていたのです。

マングローブ林面積(ha)1980年2005年減少率
ベトナム269,150157,50041%
インドネシア4,2000,0002,900,00031%
マレーシア674,000565,00016%
タイ280,000240,00014%
国際連合食糧農業機関(FAO)The world’s mangroves 1980-2005より

マングローブ林は、エビ養殖池への転換や木炭の材料など、経済的な理由に起因して世界的に面積を急激に減らしています。

ベトナム統計総局のデータによると海面養殖面積は2000年から2005年の5年間で約60%面積を広げており、また2005年の「財務省貿易統計(輸入)」からも、日本へ輸入されたエビ(活、生鮮、冷蔵、冷凍)の24%がベトナムからの輸入となることから、ベトナムのマングローブ林面積減少はエビの養殖池への転換による伐採が理由ではないかと考えることができます。

2005年度エビ輸入量(トン)輸入量シェア
1位ベトナム54,52424%
2位インドネシア45,66719%
5位タイ18,40810%
13位マレーシア3,1131%
「財務省貿易統計(輸入)」農林水産省Webサイトより引用

マングローブ林は、台風や高潮などの被害から守る防波堤となるだけでなく、生物多様性を支える貴重な生態系であり、気候変動緩和の観点からも大気中の二酸化炭素を減らし地球温暖化の進行を遅らせる重要な役割を担っています。

1999~2018年の20年間で異常気象の影響を受けた国の世界6位にベトナムはランキング(世界気候リスク指数(CRI: Global Climate Risk Index)2020より)され、台風被害の拡大や高潮による塩害被害などは、マングローブ林伐採の影響が出ているとも言えるのかもしれません。

GLOBAL CLIMATE RISK INDEX 2020より引用

ベトナム農業農村開発省は2017年より途上国による温室効果ガス削減(緩和)と気候変動の影響への対処(適応)を支援するために設立された「緑の気候基金(Green Climate Fund)」の支援を受け、台風や高潮などの被害から守る防波堤となるマングローブ林の回復・植林を含んだプロジェクトを開始しました。

しかし植林だけの活動では根本的な解決にはならず、マングローブの生態を考慮した経済活動が必要になります。

生産者側はマングローブ再生と持続可能な養殖に取り組み「ASC認証」「MSC認証」「BAP認証」などに準拠した企業も増えてきており、世界最大の小売業であるウォルマートは2025年までに生鮮・冷凍水産物をMSC認証などを取得している企業からの調達に切り替えると発表しました(ウォルマート企業ポリシーより)。

国や企業単位での取り組み以外で、消費者である私たち個人ができるのは、マングローブ林の役割を理解することが最初の一歩になるのではないでしょうか。そして「ASC(責任ある養殖により生産された水産物)認証」「MSC(持続可能な漁業で獲られた水産物)認証」「BAP(養殖関連施設における持続可能性、食品安全、社会的責任、動物の健康・福祉を担保する)」のマークがついた食品を手に取ることかもしれません。

ASC Aquaculture Stewardship Council公式 YouTubeチャンネルより
名前、または内容Can Gio Mangrove Biosphere Reserve (カンザー生物圏保存地域)
中心地からの移動時間1時間30分
営業時間08:00~16:00(祝日不可)
見学時間(目安)3時間
催行人数10~40名
料金有料(お問い合わせください)
その他

視察内容

ベトナム戦争で使われた枯葉剤の散布の影響で、約40万ヘクタールあった広大なカンザーのマングローブ林はで壊滅的な打撃を受けました。ベトナム政府をはじめNGO団体やボランティアなどの協力があり、2000年にはカンザーのマングローブ林が、ベトナム初の生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)に指定されました。

マングローブ林についての講義を受け、約1メートル間隔に30センチほどの深さに掘った穴にマングローブの苗木を植える植林体験をすることができます。

森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

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