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【ホーチミン】ベトナム土産の「チョコレート」Farm to Barを実践するカカオ農園│SDGs視察


多くの人に愛されるチョコレートの原料であるカカオの歴史は、紀元前に発見されてから食用としてだけでなく、通貨や薬としても使われていたと言われています。そしてメキシコを訪れたスペイン人が持ち帰ったカカオはヨーロッパへ広がりました。日本へチョコレートが伝わったのは江戸時代となり長崎にその文献が残されているようです(日本チョコレート・ココア協会より引用)。

現在、西アフリカのコートジボワール、ガーナ、アジアのインドネシアが産地として有名ですが、カカオは寒さや乾燥に弱いため生産できるエリアが非常に限られており「カカオベルト」と呼ばれる赤道を中心に南北緯20度以内の範囲に位置する国々でしか生産することができません。

順位国名生産量(トン)
1コートジボワール218万
2ガーナ81万1,700
3インドネシア78万3,978
4ナイジェリア35万0,146
5エクアドル28万3,680

Food and Agriculture Organization of the United Nations(FAO)2019カカオ生産量参照
カカオベルト
International Cocoa Organization (ICCO) より

カカオが直面している課題

チョコレートの消費量が増える一方で、カカオ産地や生産農家は、貧困からくる児童労働、収益性の高い作物への転換、地球温暖化や気候変動の影響による産地減少といった様々な課題に直面しています。

児童労働

児童労働とは「法律で定められた就業最低年齢を下回る年齢の児童(就業最低年齢は原則15歳、健康・安全・道徳を損なう恐れのある労働については18歳)によって行われる労働」のことです。2017年発表の国連労働機関(ILO)の推計によると、2016年時点で世界の児童労働者数(5~17歳)は約1億5200万人となり、そのうちの約70%の1億700万人が農業に従事しているとされています。

カカオにおける児童労働は、なたを用いた作業や、農薬の散布など様々な危険が伴い、カカオ生産国第一位のコートジボワール、第二位のガーナでは、カカオ栽培地域の子供たちの約45%が児童労働に従事し、また43%がカカオ栽培における危険な児童労働に従事していることがわかりました(シカゴ大学の世論調査センター(NORC))。

収益性の低さ

チョコレート産業のコスト構造は、小売部門(43%)、製造部門(20%)、マーケティング部門(10%)、そしてカカオ農家が手にするのはわずか3%となり(CNN「ココアノミクス――チョコレート産業の包みの中は?」より)収益性の低さによりカカオ農家の多くは貧困を強いられています。またカカオの価格が不安定であることなどから、収益性の高い作物への転換する農家も少なくありません。

地球温暖化

地球温暖化に伴う気象変動の影響で、カカオが育つ高温多湿な「カカオベルト」の乾燥化が進むと産地が減少し、遠くない将来にカカオの木が絶滅する可能性もあると言われています。

問題の解決への一歩を踏み出す

2010以降、チョコレートメーカーなどのグローバル企業による取り組みが活発化した背景に「カカオ2020年問題(カカオの生産量が需要を下回りチョコレートが非常に高価なものになる可能性の指摘)」があり、また新たに地球温暖化によるカカオが絶滅する恐れがあるとして「カカオ2050年問題」が報じられています。

世界で消費されるカカオとチョコレート製品の4分の1に含まれているといわれる、チョコレート原料メーカーのバリーカレボー社は、2016年に持続可能性戦略「Forever Chocolate(フォーエバーチョコレート)」を策定し、2025年までに原料100%で持続可能な調達を行うと宣言し、下記4つの目標を立てました。

  1. サプライチェーンから児童労働を根絶
  2. 50万人以上のカカオ農家を貧困から救出
  3. 二酸化炭素の純排出量を減らし、森林を拡大
  4. 全ての製品において100%持続可能な材料を使用

また日本では、森永製菓のチョコレート「小枝」はバリーカレボー社が提供するサステナブルカカオ原料「ココアホライズン認証カカオ」の使用を開始し、FSC®認証の商品パッケージ、個包装フィルムにバイオマスプラスチックを一部使うなどの動きが出ています(森永製菓ニュースリリースより引用)。

私たち個人ができることは、カカオ農園の現実を知り、FSC®認証やフェアトレード認証、またバイオマスなど、地球環境が考慮された商品を購入することなど、おいしいチョコレートを食べ続けるために個人でできることを考え続けていくことが大切です。

FSC®認証などのサステナブル認証マークについて

視察内容

ベトナム産カカオはテレビドラマでも取り上げられましたが、世の中の注目を集めるきっかけとなったのはチョコレートの祭典である「サロン・デュ・ショコラ パリ」で2013年に「カカオ・オブ・エクセレンス」を受賞でした。

ベトナムのカカオ歴史は浅く、19世紀にフランス人により持ち込まれました。当初は他の農作物ほどの利益を生み出すことができなかったりとカカオ生産は広まりませんでしたが、その後政府やNGOや企業の取り組みにより、今ではベトナム土産のひとつとして「チョコレート」があげられるまでになりました。

カカオ豆の買い付けからチョコレートバーになるまでを一貫して行う「Bean to Bar(ビーントゥバー)」がよく知られていますが、ホーチミンから車で約1時間半の場所にあるビノンカカオパークはそのうえを行く「Farm to Bar(ファームトゥバー)」を行っており、カカオ生産からチョコレートバーになるまでを一貫して行っている農園です。

「Bean to Bar」や「Farm to Bar」は良質なチョコレートを消費者へ届けるためのカカオ農家や環境を守る活動へ繋がり、サステナブルな動きのひとつとも言えると思います。

ビノンカカオパークでは、カカオの木の前で説明を聞いたり、日本では試すことのできないカカオの果肉を食べたりと五感を使ってカカオ農園からチョコレートになるまでの全工程を見学することができるだけでなく、カカオの苗の植樹や商品化されたチョコレートを手に取ることができます。

名前、または内容ビノン・カカオパーク(Binon Cacao Park)
中心地からの移動時間約1時間半
営業時間07:00~17:00(月曜休み)
見学時間(目安)約1.5時間
催行人数8~100名
料金有料(お問い合わせください)
その他
すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

問い合わせ先

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