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【マレーシア】「知る」ことから始める伝統の継承│SDGs視察


バティック=ろうけつ染めと紹介されることが多いですが、色が混ざるのを防いだり、染まるのを敢えて防ぐ “防染法” と呼ばれる「ろうけつ染め」の染色方法を使ったものがバティックとなります。

また、バティックという言葉は「破線(- – -)や点線(……)で描画する」という意味となり、ジャワ語の「Amba(描く)」、マレー語の「Titik(点)」2つの言葉からできた言葉だといわれています。インドネシアでは2009年にユネスコにより世界無形文化遺産に認定さましたが、マレーシアでも重要な伝統工芸のひとつとなります。

マレーシアにおけるバティックの歴史

ろうけつ染めの起源は諸説あり、またマレーシアにおけるバティックの起源も明確ではありませんが、「バティック」の言葉の由来からもわかるようにインドネシアのジャワ島の影響を受けていることは間違いありません。

マレーシア観光文化省管轄の“KARYANEKA(カリヤネカ)”によると

It is believed that batik history in Malaysia began in the 15th century and was rapidly developed in the 1930s until the end of World War II and it stated in Kelantan and Terengganu.
KARYANEKA Webサイトより引用

(日本語訳:マレーシアのバティックの歴史は15世紀に始まり、1930年代から第二次世界大戦が終わるまで、クランタン州とトレンガヌ州で急速に発展したと考えられています)

とされております。また、戦後1957年にマラヤ連邦(現マレーシア半島)がイギリスから独立し、繊維産業を政府が後押ししたことで、バティック職人の数が大幅に増加したといわれております。しかし1990年代に入ってプリント技術の発達などの要因から、高価な手書きのバティックの需要が衰退していきました。

1991年にマレーシア政府が「2020年までに先進国になる」目標を掲げた際に、ITを新しい産業の柱とすべく産業構造改革の一環として進められたマルチメディア・スーパーコリドー構想が、労働集約型であるバティック産業が衰退する背景の一因としてあるのではないかと想定します。

また、2008年にスペインのマドリッドで開かれた第10回 国際女性学際会議での、マレーシアのバティック業界が抱える問題として

Problems that were often faced by the entrepreneurs include unstable price of batik, difficulties in getting the loan for capital, lack of business experience, the stiff competition in the market, lack of skilled workers and the high price of raw material as well as difficulties in drying of batik cloth during the rainy season
マレーシアプトラ大学(UPM)Perception of problems and challenges faced by batik industry woman entrepreneurs in Malaysiaより引用

(日本語訳:事業主は、バティックの不安定な価格、資本の貸付の困難、ビジネス経験の欠如、市場競争、労働者のスキル不足、原材料の高価格、梅雨時にバティックが乾燥しないなどの問題に度々直面した)

とあり、人材難、価格や量産面での競争など、時代背景や取り巻く環境により、作り手も買い手も伝統が受け継がれにくくなっていることがわかります。

伝統工芸の継承・振興

弊社ツアーガイドの制服の一例

着物離れが進んでいる日本と同じように、マレーシアの街中でもバティックを身に着けている人は多くありません。

その為、マレーシア政府はバティック産業振興のためいくつかの試みを行っています。2008年1月に公務員に対して毎週木曜日をバティックを着用の日に定め、そして2019年には民間企業にもバティックの着用を提案するなど、バティック産業を後押ししています。

また、バティックを制服として取り入れているマレーシア航空、そしてマレーシア観光文化省はツアーガイドのドレスコードの選択肢として「マレーシアのバティックシャツ」を挙げております。

伝統継承をするのは、作り手だけではありません。作り手以外ができることとして「伝統を知る」ことが最初の一歩でもあり、体験型伝統継承として「バティックペインティング」を取り入れるマレーシアの学校もあります。

また、日本を訪れる外国人観光客が着物体験をするように、私たち日本人もマレーシアの伝統工芸に触れ、その良さを知ることも、伝統継承につながるひとつではないでしょうか。

バティックペインティング

鉛筆で布に下絵を描き、“ろう” が入ったチャンティンという器具を使って下絵をなぞります。

用意されている色や、それぞれの色を混ぜて筆で染色していきます。水で色を伸ばしてグラデーションを作ることも可能です。
染色後は“ろう”を洗い流すなどの工程が行われます。

シャディバティック(クアラルンプール)

視察内容

ジャディバティック(Jadi Batek)では、手作りのバティックは工業化やデジタル化にとってかわられることのない文化として、この先1000年以上残していくことを使命としています。マレーシアのバティックの歴史を学べるだけでなく、アーティストたちが作成した作品や土産物として商品化されたバティックを見ることができます。

既に用意されている下絵をもとにしても、自分自身でオリジナルの下絵を描くこともでき、ロウ書きから染色まで本格的な体験をすることができます。工場スタッフが最後の仕上げを行い、滞在中に受け渡しが可能です。

名前、または内容Jadi batek (ジャディバティック)
中心地からの移動時間10分
営業時間09:00~17:00
見学時間(目安)約1時間
催行人数2~120名
料金有料(お問い合わせください)
その他

ペナンバティックファクトリー(ペナン)

視察内容

バティック工房とギャラリーを経営しているバティックファクトリーでは、ハンカチサイズのバティックペインティングを体験できます。工場スタッフが最後の仕上げを行い、ご滞在中に受け渡しが可能です。

名前、または内容Penang Batik Factory(ペナンバティックファクトリー)
中心地からの移動時間45分
営業時間09:00~18:00
見学時間(目安)約1時間
催行人数2~100名
料金有料(お問い合わせください)
その他
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